前略。
結論が出る前の話や
手ざわりの残る出来ごとなどを
余白にて、書きとめています。
今回は、
柿ピーから考える「コンバージドTV」
という話です。
メディア戦略を袋菓子で考えてみる
冷え込んだ夜、
ウィスキーのつまみに、
とある袋菓子を開けました。
どこにでもある、いわゆる “アソート”。
私はこれが好きです。子供の頃に通った駄菓子屋のように
何が出てくるか分からない感じも、懐かしくて悪くない。
ただ、ふと気づきました。
このアソートの袋菓子、
種類が均等に入っていない。
無造作に手を突っ込むと、
妙に「柿ピー」に当たる確率が高い。
私がそれを望んでいるか、いないかに関わらず。
好きなモノはある。
でも、それだけを選んで食べると、
最後は好きではないモノが残る。
でも、本当に好きなのは「ジャイアントコーン」だ。
そして、このタイプの大袋には、
ほとんどと言っていいほど、それは入ってはいない。

小袋を分類してみる
そこで、一度すべてを袋から出してみました。
(すでにいくつか食べてしまっていたので、以下は正確な比率ではない)
小袋は全部で6種類。
NET(中身の重さ)312g。
小袋ひとつ7〜9g。
おそらく40袋前後が入っている。
仮にこの312gを「個人GRP」と見立てるなら、
6種類の小袋は、6つのセグメントと言える(例えばM1やF1)。
中身の比率は均等ではありません。
一番多いのは「柿ピー」。
次に「かきもちピー」と「梅柿ピー」。
アーモンドは、ほんのわずか。
一見バランスは取れている。
しかし実際には、
“あらかじめ決められた比率” で構成されています。

妻はアーモンドしか食べない
妻は、こうしたお菓子を基本的に食べません。
ただし「アーモンド」だけは別です。
アーモンドは、312g中わずか2袋、18g。
比率で約6%。
テレビCMでのF1比率と、どこか似ています。
アーモンドだけで見れば、
この大袋でのグラム単価は約27円にもなる。
一方、我が家で購入している1kgの無塩アーモンドは
グラムなら約2円。
10分の1以下。
アーモンドしか食べない人にとって、
アソートの大袋は合理的ではありません。

私はアーモンドだけではない
しかし私は、いろいろ食べたい。
柿ピーもいい。
かきもちもいい。
ジャイアントコーンも、できれば少し欲しい。
そして、312gで500円。
グラム単価で約1.6円。
値頃感、量、安定供給。
買う側にとって、この “安心感” も重要な要素です。
最適配分は売っていない
一回につき、50g食べるとする。
25gは柿ピー系(期待値0.8)グラム1.6円
15gはアーモンド(1.0) *グラム2円
10gはジャイアントコーン(1.5) *グラム3円(平均)
コストは約100円。
>> コスト: 25g × 1.6円 + 15g × 2円 + 10g × 3円 = 100円
満足指数も100。
>> 満足指数: 25g × 0.8 + 15g × 1.0 + 10g × 1.5 = 100
理論上、それぞれを100円分単体購入しても
同じ満足は得られる。
しかし。
私は既製アソートではなく、
自分のアソートを作りたい。
本当の「お好み」は、自分で設計する
大袋は効率がいい。
単価も安い。
安定している。
しかし、その配合は
誰かが決めたものです。
単体商品では、
割高になることもあるが、
目的は明確。
私にとっての最適配分は、
どこにも売っていない。
自分で組み合わせるしかない。

柿ピーから「コンバージドTV」へ
リニアTVは、この大袋に少し似ている。
かつては、広く、全員に届く装置だった。
いまは、全員には届かない。
それでも、単価効率は悪くない。
CTVは、小袋のようなものだ。
味ごとに分かれている。
切り分けられる。
選べる。
どちらが優れている、という話ではない。
先に小袋で味を確かめ、
構造を見て、
そのうえで大袋を作り直す。
そんな順番も、あるのかもしれない。
リニアは、補完という言葉では収まらない。
設計された配合を一気に広げる装置になる。
コンバージドTVとは、
単に足し合わせることではないのだろう。
目的に合わせて配合を決め、
学習し、再構成すること。
そして設計ができたとき、
リニアもまた、従来とは異なる価値を持つ。
単なる「広く届ける装置」ではなく、
最適化された構造を増幅する装置へ。
本当の“お好み”は、
自分で作るしかない。
そして、テレビもまた、既製のアソートから、設計の時代へ。
(楳田 良輝)

