前略。
結論が出る前の話や
手ざわりの残る出来ごとなどを
余白にて、書きとめています。
今回は、
民放ドラマは、どれがオリジナルなのか?
という話です。
- 目 次 -
2026年・冬ドラマも盛りだくさん
地上波が大好きな「テレビっこ」としては
今クールの冬ドラマも、楽しみな作品がいくつもあります。
では、どれを観ることにしたのか? を曜日別に整理してみると・・
*ドラマ名後の( )は関東エリアでの放送局
<月曜日>
ヤンドク!(フジ)
(脚本:根本ノンジ/制作協力:共同テレビ/制作著作:フジテレビ)
*月9。なぜ、みんな、橋本環奈にはコスプレをさせたがるのかな?
夫に間違いありません(フジ)
(脚本:おかざきさとこ/制作協力:ダブ/制作著作:カンテレ)
*第2話で離脱。家族が「怖くて、嫌らしい」。演技に迫力ありすぎか・・
<火曜日>
再会~Silent Truth~(テレ朝)
(脚本:橋部敦子/制作協力:ザ・ワークス/制作著作:テレビ朝日)
*前クールの「イイワル」「じゃあつく」と少し頭の中でタブつく
東京P.D. 警視庁広報2係(フジ)
(脚本:阿部沙耶佳、阿部凌大、島崎杜香/制作:フジテレビ/制作著作:共同テレビ)
*攻めてる感じが面白い。福士蒼汰も、緒形ムスコも久々にいい役
未来のムスコ(TBS)
(脚本:ニシオカ・ト・ニール、いとう菜のは/製作:TBSスパークル、TBS)
*まだ未知数。舞台設定を完全には理解できていないが継続中
<水曜日>
相棒 season24(テレ朝)
(脚本:輿水泰弘 他/制作:テレビ朝日、東映)
*安定の面白さ、安心。家族が一番好きなので、最終話まで必ず観ます
冬のなんかさ、春のなんかね(日テレ)
(脚本・監督:今泉力哉/制作協力:AX-ON、Lat -Lon/製作著作:日本テレビ)
*杉咲花ちゃんの不思議ドラマ。「海に眠るダイヤモンド」とのギャップもいい
ラムネモンキー(フジ)
(脚本:古沢良太/制作協力:FILM/制作著作:フジテレビ)
*好きな主役級が3人も、古沢脚本も楽しみ。ただ最初は少々難解
<木曜日>
おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-(テレ朝)
(脚本:『g.O.A.T』/制作協力:MMJ/制作著作:テレビ朝日)
*可もなく不可もなく。松嶋菜々子がカッコかわいいので、たぶん最後まで観る
プロフェッショナル保険調査員・天音蓮(フジ)
(脚本:大石哲也/制作協力:ファインエンターテイメント/制作著作:フジテレビ)
*玉木宏モノはなんとなく観てしまう。声に惹かれるのか・・柔術も見どころw
身代金は誘拐です(日テレ)
(脚本:大林利江子、今西祐子/制作プロダクション:泉放送制作/制作協力:吉本興業/制作著作:読売テレビ)
*ストーリーになんだか既視感が強いけど、「真犯人」が気になり継続視聴中
<金曜日>
元科捜研の主婦(テレ東)
(脚本:尾崎将也、鹿目けい子 他/制作:テレビ東京、ホリプロ/製作著作:「元科捜研の主婦」製作委員会)
*金曜日に観るのにちょうどいい。ちょいちょあるパロディ含め、ほんわかムード
DREAM STAGE(TBS)
(脚本:紗嶋涼、山浦雅大/製作著作:TBS)
*中村倫也の演技が面白くて好きなので、とりあえず第1〜2話は観る
探偵さん、リュック開いてますよ(テレ朝)
(脚本・監督: 沖田修一/制作:テレビ朝日、MMJ)
*松田龍平に+探偵。このフラグは外せない・・。ただ、ハードボイルドではなく温泉系
<土曜日>
パンダより恋が苦手な私たち(日テレ)
(脚本:根本ノンジ/制作協力:AX-ON/製作著作:日本テレビ)
*ターゲットじゃない気もするが、上白石萌歌(妹)なので、第3話くらいまでは観てみたい
<日曜日>
リブート(TBS)
(脚本:黒岩勉/製作著作:TBS)
*日曜劇場なので無条件で観る。すでに第1話が面白かったので最終話まで継続
パンチドランク・ウーマン-脱獄まであと××日-(日テレ)
(脚本:いずみ吉紘/制作協力:AX-ON/製作著作:日本テレビ)
* “篠原涼子モード全開” で、なんとなく気になるので継続予定
このほか、
NHKの朝ドラ『ばけばけ』と
大河ドラマ『豊臣兄弟!』も、もちろん観ています。
最終話まで何本観つづけられるのかは
まだわかりませんが、楽しみな「2026年・冬ドラマ」です。
とはいえ、これでも今クールの全ドラマのほんの一部。
民放ドラマって、いつの間にか本数がずいぶん増えましたよね。
ただ、もっと気になることがある
それとは別に、
最近どうしても気になっていることがあります。
それは、
ドラマの「先行配信」と、「配信サービス」への過度な誘導告知 です。
地上波がオリジナルではなくなったのか?
正直に言うと、
先行配信の方は、その誘導告知を見ると・・
視聴者としては少しイラっとします。
「いま観たドラマ、お金を払えば続きをすぐ観られますよ」
という、あの感じ。
今週も面白かったので、来週の放送を楽しみに待つ・・、
その気持ちをわざわざ萎えさせられるようで。
そもそも、
民放ドラマは、どれを「オリジナル」と定義しているのでしょうか。
私の浅い知識と、長い体験の中では
最初に公開されるものがオリジナルである
――そう理解してきました。
ですが、
もうそうではなくなった、ということなのでしょうか。
もちろん、
テレビ局が地上波の広告収入だけでは立ち行かず
配信を含めたIP(知的財産)で稼がなければならない、
という事情はなんとなく理解しています。
だから、
先行配信や配信サービスへの誘導告知が常態化し
頻繁に目につくようになったのでしょう。
ただ、
(大げさかもしれませんが)
認可制の放送行政のもとで、これは許されることなのだろうか?
という疑問も残ります。
法や基準から見ただけでない“引っかかり”
私は法律の専門家ではありません。
この件を深く研究してきたわけでもありません。
以下はあくまで私見であり、
「余白」としての整理です。
地上波ドラマで
“特定の” 配信サービスへの誘導告知に触れたとき、
真っ先に思い浮かぶのが、放送法の第4条と第12条です。
第4条はいわゆる番組編集の準則で、
公共性・中立性・自律性などがうたわれています。
第12条では、もっと具体的に
広告放送であることが視聴者に明確に識別できなければならない、
とされています。
これらをあわせ読むと、
- 番組編集の自律性
- 特定の事業者や利害への過度な偏りを避けること
- 視聴者に誤解を与えないこと
といった考え方が、
番組と広告をきちんと分ける、という
長年の「共通理解」を形づくってきた のだと思います。
民放連の放送基準の中にも、それが明示されています。(例:92条)
もちろん、
これらの条文は、
現在のような配信サービスを想定して作られたものではありません。
だからこそ、
法や基準だけでは説明しきれない “引っかかり” を
いま、私が感じているのだと思います。
公共の電波で、有料サービスへの導線を作ること
ですが、
「この番組はTVerでもご覧いただけます」
という類いの告知には、私もあまり違和感はありません。
TVerは現状無料ですし、
全国・全局の全番組ではないにせよ、他局コンテンツも視聴できます。
時代の変化と共に、“放送波” だけなく
“通信” でも観られるようになったことを伝えてくれているんだな・・
と思っているからです。
リアルタイム配信含め、「伝送路」が増えただけと考えればいい。
また、ドラマのスピンアウト版や裏話的なコンテンツを
この配信サービスで観てね、というのも
ややグレーな感じはしますが、まあ理解はできます。
それが有料サービスであったとしても。
思うに、配信サービスへの誘導は3種類あります。
- 局の自社サービスを告知する
- 資本関係はあるが第三者サービスにも誘導する
- 完全に第三者サービスへ誘導している
問題はそれが、
番組本編なのか、番宣なのか、広告なのか、
視聴者に判然としないかたちで挿入されることです。
(右上にある局名のウォーターマーク有無は見ているのですが・・)
これは、
先の法や基準の “白黒” 以前に、
視聴者体験としての “居心地の悪さ” が残ります。
(普通にスポットCMでの告知もあるが、それは問題ない気がする)
制度だけでは説明しきれない理由
ここで言いたいのは
「これは放送法違反だ」と断じたいことではありません。
気になるのは
先行配信を含む特定の配信サービスへ過度に誘導していった結果
制作の前提と、視聴体験のズレが
いつの間にか当たり前のようになりつつあることです。
地上波ドラマは「CMがある」ことが前提
日本の地上波ドラマは、
もともとゴールデンやプライムタイムで放送されることが多く、
海外のネットワーク局と比べると、
CM量は意外と少なめです。
したがって、
- 途中でCMが入る
- 物語が分断される
ことを前提に、作られています。
いや、「これまでは作られていました」という方が正しいかもしれません。
- CM前に山場(クリフハンガー)を作り
- CM明けで直前のシーンをもう一度見せる(いわゆるアドブレイク・ダブルテイク)
これは、
CMという断絶を前提にした、
地上波ドラマにとって不可欠な文法だったのだと思います。
地上波ドラマの文法が変わりつつある
ところが最近、
その文法にも変化を感じます。
山場の直後がCMではない。
理由は二つあると思っています。
ひとつは、
繰り返し演出による視聴者のストレスを減らすため。
(ドラマに限らず、過度な繰り返しはすこぶる評判が悪い)
もうひとつは、
有料配信やDVD、一部のCS放送などで
CMなしで見たときの違和感を減らすためです。
その結果、
「え、ここでCM?」
という、少し間を置いたシーンで
「スーッと」CMに入ることが増えました。
CM明けの繰り返しもありません。
これであれば、配信やCSで見たときも、
通信エラーか?と思うようなシーンの繰り返しもないですし
黒いフェードアウト&フェードインもある程度は自然に見えます。
後追い配信なら、視聴者は理解できた
これまで、
- 地上波放送が正典(オリジナル)
- CMなし配信は、その後追い別バージョン
という関係が、
暗黙のうちに共有されていたと思います。
だから、
多少の編集上の違和感は、視聴者が自然と補正できたのです。
有料配信が「初出」になると、話が変わる
しかし、
有料配信が最初の公開(先行配信)になると、話が変わります。
CM前提で編集されたドラマを
有料配信のノンストップで先に見せられると、
- 感情が一度止まり
- 同じ場面を見せられ
- リズムが間延びする
という、微妙な違和感が今度は生まれます。
それは、視聴者だけの問題ではありません。
制作者側も、それを完成形として納得できなくなると思います。
ゆえに、
それを補正するような編集(演出)へと変わってきたのでしょう。
先行配信をやるなら、オリジナルをどこに置くのか
だからこそ、こう思います。
先行配信をやるのであれば、
もう最初から
- CMなし
- ノンストップ
の配信版を「オリジナル」として制作した方がいい。
そのうえで、
地上波では
- 1週遅れ
- CMあり
の放送版(つまり無料視聴)として届ける。
こうすれば、
- (有料の)配信視聴者も納得できる
- 地上波視聴者も「無料だから」と理解できる
- 制作者も完成形をはっきり示せる
三者の関係は、かなりすっきりします。
地上波ドラマの価値を下げていないか
ただ、そのやり方が当たり前になると
地上波ドラマが、
もはや完成された作品ではなく、
配信への導線素材のように見えてきます。
その結果、
- 初回放送の特別感
- みんなで同時に観る体験
- 地上波ドラマという文化的価値
が、少しずつ削られていくのではないでしょうか。
さらに、
地上波コンテンツは、
長らくスポンサーの広告費によって成立してきました。
その番組が、
配信で先に出されることに対して、
スポンサーは本当に納得しているのでしょうか。
先行配信が悪いわけではない
誤解のないように言えば、
先行配信そのものが悪いわけではありません。
問題は、
何をオリジナルと定義し、どこで初めて作品を提示するのか、です。
その整理が、曖昧なまま進んでいることです。
だから、広告の話になる
地上波ドラマの完成形が曖昧になるということは、
それを支えてきた
スポンサーやCMの意味も、
同時に曖昧になっていく、ということでもあります。
個人的には
地上波テレビは、
幕間のCMも、番宣も含めて、
ひとつのエンターテインメントとして
成立していてほしいと思っています。
そのための工夫や努力をこれまで以上にやる。
(今でも局ごとに少し違って面白いですけど)
だからこそ、
CM枠をデータだけで
「デジタルメディアに寄せて」
プログラマティックに便利に売る・買うだけでは、
きっと足りない。
結果、地上波テレビはどんどん “安いもの” になってしまう。
その「違和感」が、
いま、地上波ドラマという大好きな場所から
先に見えてきているのかもしれません。
(楳田 良輝)
