前略。
結論が出る前の話や
手ざわりの残る出来ごとなどを
余白にて、書きとめています。
今回は、
2026年メディア勢力図とNetflixによるWBD買収
という話です。
- 目 次 -
米上院司法委員会による公聴会
2025年12月、Netflixは
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)のスタジオ事業と
ストリーミング部門(Warner Bros./HBO Max など)を
取得することで正式合意したと発表しており、その際の買収総額は
負債含め約827億ドル(株式価値約720億ドル)*と報じられています。
*当初は現金+株式であったが、2026年1月に全額現金に変更
今回は、そのNetflixによるWBDの買収を巡る
米連邦議会上院の司法委員会による公聴会のお話です。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると
Netflixは「統合後も視聴時間シェアは10%」と主張する一方で、
上院議員は「定額制ストリーミング市場でのシェアは30%超になる」と反論しています。
司法省(DOJ)の反トラスト(独占禁止)ガイドラインでは、30%超の合併は原則違法とされているからです。
ですが、本記事では
独禁審査に加え、Netflixの文化的影響力 “ woke ”
つまり、
「多様性や社会的価値観を過度に押し出しているという批判」にまで
論点が拡大しているとしています。
一応、WSJの元記事をギフトリンクで貼っておきます。
*ただし、いつまでギフトリンクが有効かは不明
Source: https://www.wsj.com/business/media/netflix-warner-defend-proposed-deal-in-senate-hearing-16962434
Gift link: https://x.gd/Uci62f
WSJは社説で真っ向から批判
そして、
その翌日には、この速報記事に続き、
今回の論争を真っ向から批判する社説も掲載 しています。

WSJの社説では、
「反トラスト法が、消費者利益ではなく、
政治的・文化的メッセージを取り締まる道具に変質している」
と指摘しています。
” 文化右派 × ハリウッド労組 “という、奇妙な同盟による争いとなっているのではないか?というのです。
しかも数字的に見ても、
- Netflix:世界約3.25億加入
- HBO Max+Discovery:1.28億加入
- その 94%がNetflixにも加入済み(NetflixとWBDの資料では重複は80%)
つまり合併しても、「新しい支配力はほぼ生まれない」としています。
これは明らかに先の公聴会であった「定額制ストリーミング市場の30%超」論に対する、
全く別角度からの市場定義といえます。こちらも同様にソース元などを貼っておきます。
Source: https://www.wsj.com/opinion/netflix-ted-sarandos-senate-hearing-antitrust-aaadd7bc
Gift Link: https://x.gd/wZ9Pb
上院公聴会の資料は誰でも閲覧可能
この公聴会で示された資料(Netflix、WBD共に7ページ分)や
当日の動画・テキストなどは各所で入手することができます。
ここでは、公式の公聴会ページだけをご紹介しておきます。
Senate Judiciary Committee
https://www.judiciary.senate.gov/committee-activity/hearings/examining-the-competitive-impact-of-the-proposed-netflix-warner-brothers-transaction




両社の主張と規制上の懸念を整理してみる
そこで、各種AIを使って本件のいくつかある資料から
両社(企業側)の主張や今後の戦略、公聴会側(規制上)の懸念などを整理してみました。


市場支配とは、量の問題なのか、意味の問題なのか。
このNetflixによるWBDの買収劇は、
既知の通り パラマウント・スカイダンス社 も参戦し
「反トラスト法は、文化を裁けるのか?」という問いも含めて、
最終的にどこに落ち着くのか、まだ見通せない様相となっています。
話題となっている3月のNetflixによる WBC独占中継 だけでなく、
こちらの “ WBD ” の方の動きについても
日本国内の放送・配信規制の文脈とあわせて、
引き続き気にかけておきたいと思います。
(楳田 良輝)
