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ウィークリー・アドトラッカーを始めます。
新しいチャンレジとして、話題の広告プロモーションをピックアップするレポーティングを開始します。
レポート項目は、シンプルかつ独自指標です。ただし、今後、変化していくかもしれません。また、ウィークリーと銘打っていますが、当面は不定期です。ピックアップするジャンルも変わっていきます。
初回は、第25週(2025年6月16日〜22日)の「テレビCMを中心としたプロモーション」から3件をピックアップしました。
Vol.1【2025年第25週】テレビCM中心の広告プロモーション分析
① 大阪・関西万博「一生に一度を何度も」TVCM
キャンペーン名/企業名
一生に一度を何度も/大阪・関西万博(公益社団法人2025日本国際博覧会協会)
商品名(サービス名)
大阪・関西万博(開催イベント)
媒体・期間
テレビCM:全国放映(「DAY」「NIGHT」「30秒篇」含む)、6月20日開始
※YouTubeにも公式動画が掲載
概要
昼と夜、それぞれの魅力を伝える複数バージョンのTVCMで、万博体験の期待感と臨場感を両立させ訴求
話題化の仕組み
- CM放映開始と同時にSNS・公式Webでも公開
- 夜篇の美しい映像が感動を呼び、共感拡散
SENSE変換(パーセプション視点) *SENSEとは
- STATUS:一過性の博覧会 → 何度も行きたくなるような “私の場所”
- VALUE:漠然とした未来の展示 → 具体的な “体験の期待” へ
- TRUST:硬くて遠い国家イベント → 親しみやすい公共プロジェクトへ
SURPRISE評価(独立軸)
★★☆ – 映像体験は上質だが、意外性のある仕掛けというより “感動設計” 型
所感
大規模イベントならではの制作クオリティで、感性に訴えるメディアミックス展開が秀逸。情感と期待感を同時に高めた設計
② WECARS『歌う看板くん』TVCM
キャンペーン名/企業名
歌う看板くん/WECARS(中古車買取・販売)
商品名(サービス名)
WECARS(中古車売買プラットフォーム)
媒体・期間
テレビCM全国放映開始:6月6日〜
YouTubeなどのデジタル媒体は先行公開
概要
“歌う看板くん” キャラクターが、看板のまま替え歌で自己紹介するTVCM。インパクト×ユーモア路線
話題化の仕組み
- デジタル先行させ、CM公開後にもSNSでは話題性あり
- 自社OOHのキャラ化によってテレビCMの注目度をアップ
SENSE変換(パーセプション視点) *SENSEとは
- STATUS:中古車購入=退屈・不安 → 面白くてユニークな選択肢
- TRUST:よく知らない企業 → 看板とTVCMの連携で親近感と信頼感へ
- ACCESS:購買導線が見えにくい → 看板×音声で印象に残る導線設計へ
SURPRISE評価(独立軸)
★★☆ – 普通にある「看板が歌う」という異例の仕掛けで注目度が高い
所感
あえて振り切った設計で、Z世代・SNS世代にハマりそうなプロモーション。記憶への残り方と拡散性において秀逸
③ UHA味覚糖「バランスダンス〜鉄、鉄&葉酸〜」TVCM
キャンペーン名/企業名
バランスダンス〜鉄、鉄&葉酸〜/UHA味覚糖
商品名(サービス名)
UHAグミサプリ 鉄、鉄&葉酸
媒体・期間
TVCM:6月7日〜放映
併催キャンペーン:X(Twitter)で93いいね集めると地上波CM放映
概要
頭に大量のグミサプリを乗せ、バランスダンスを踊る人々を描くユーモア仕掛けCM。SNSでの参加と地上波枠獲得を連動
話題化の仕組み
- SNSで “いいね数” による地上波CM放映決定の参加型企画
- ダンスCMが話題となりUGC&リツイートが拡散
SENSE変換(パーセプション視点) *SENSEとは
- BENEFIT:栄養補給=義務的・我慢 → 美味しく楽しい “摂る楽しさ” へ
- STATUS:SNSでの “話題化達成者” としての自己証明
- TRUST:公式キャンペーンと地上波確定型企画で信頼性を演出
SURPRISE評価
★★☆ –シリアスになりがちな栄養訴求を、軽やかなリズムとパフォーマンスで展開
所感
若者がSNSで共有したくなる構造。商品特徴だけでなく「踊ってみた」文化との融合を狙った斬新な仕掛けが秀逸
第25週 テレビCM分析まとめ
- SURPRISE軸が話題化に直結:各CMの目立ちやすさと話題性の相関が明らか
- 参加型・UGC連動が強い:視聴者を巻き込み “観る体験” を超えた接続設計が多数
- TVCM+デジタル連動で拡散設計:SNSとテレビのクロスメディア戦略が効果的
SENSEとは
もはや人力だけでは限界がある、プランニングの壁を乗り越えるための一つの答えが生成AIの活用だと考えています。プログラマティカでは、消費者の意識(Sense)をメディア戦略に特化した7つの視点(Code)に独自に分類*しています。このウィークリー・アドトラッカーでは、レポーティングの項目の中に、そのパーセプション視点(SENSE変換)での評価を採用しています。設定した “7つの視点” は以下の通りです。

SENSE CODE 7(7つの視点)
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ACCESS(アクセス):買いやすさ・出会いやすさ
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VALUE(バリュー):価格や価値の納得感
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TRUST(トラスト):企業やブランドへの信頼
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NORM(ノーム):カテゴリに対する常識や固定観念
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BENEFIT(ベネフィット):得られる価値や効果
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BARRIER(バリア):不安・懸念・買わない理由
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STATUS(ステータス):社会的な見られ方
*参考文献:『SNSから抽出するパーセプションでつくるビンゴ型コミュニケーションプランニング』(横山隆治/トレンダーズ著、2024年・宣伝会議)
*もし、収集情報に誤りがあった場合は、適宜修正致します。